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Shichihei Yamamoto

サマータイムに突入した翌日、快い晴れ。
ひさしぶりに海水浴。
水の冷たさもしょっぱさも心地よく、しばし波間をただよう。
つい口ずさむ、TUBEのストップ・ザ・シーズン・イン・ザ・サン♪
夜はチジューカのエスコーラでサンバンバン。

某日。
リオに住む居合いの名士と談笑。
神前への礼、黙想、サムライの心構え……に対するブラジル人生徒の反応、某大手企業が社員に配る日本人顧客接待マニュアルの妙など興味深い話しを聞く。

山本七平の『日本人とは何か。』を熟読中。
友人にもらった『日本はなぜ敗れるのか』で火がつき、『空気の研究』につづいて。
無知はつらい。カリオカに聞かれたらやっぱりちゃんと答えたい。
縄文人とはいかなる民族か、かな文字はいかにして誕生したか、「カミ」とはなにか、日本人の宗教とはなにか、……といった第一部から勉強。

某日。
サンタ・テレーザの丘をくだって、グロリア教会のわきをとおって、グロリア湾の防波堤で鱸(ホバーロ)を狙う。ルアーはSMITHウェイビー・シリーズのシンキングミノー。イワシを模した小さな疑似餌。鱸のかわりにハタ科のバデージョの子供が1匹。もうすぐ、夏の到来とともに、イカのシーズンがはじまる。ぷりぷりイカ・ソーメンの季節。
# by techinho | 2010-10-22 21:46 | Cotidiano

Morro dos Macacos

モーホ・ドス・マカーコス、猿の丘。ノエル・ホーザを奉る、名門ヴィラ・イザベルの本拠地。その猿の丘に、ついに髑髏マークで恐れられるBOPEの精鋭部隊が突入した。(M兄、これで平和に暮らせますね!)。
ランボーみたいのが110名、丘の急斜面を、(たぶん)息を切らすことなく、駆け足でのぼっていった。昨日の朝8時のこと。それで一帯を支配していた麻薬密売組織ADA(Amigos dos Amigos)、訳すと友達の友達、つまり赤軍団(コマンド・ヴェルメーリョ)と対立する第3軍団(テルセイロ・コマンド)と同盟をむすぶADAは、前夜のうちに他の仲間のファヴェーラへと逃散した。一部は、エスタシオの本拠地サン・カルロスの丘に身を隠した。ちなみに、マンゲイラやコンプレクソ・ド・アレマォンは赤軍団、ブラジル最大のホシーニャはADA。今年にはいってから、3つの麻薬密売組織の幹部がコンプレクソ・ド・アレマォンに集まり、本気の警察に対抗するために休戦協定を結ぼうとしたが、けっきょく、その前にあのシマ返せやという言い合いになって物別れに終わった。

今回ばかりは、反撃しても、どうあがいても殺されると知ってるのだろう。でも目に見える=銃器を持った組織員(トラフィカンチ)が地下に潜ったところで、目に見えない犯罪はなくならない。麻薬密売組織の新たな戦略として、本気の国家権力と争うことはやめて、面の割れていない組織員をUPP駐屯後もひそかに配置し麻薬販売をつづけている。なぜなら、治安がよくなろうが、麻薬コンシューマーはどこにでもいるし、つねに需要があるから。これはファヴェーラの住民も、ファヴェーラ外部の公共住宅、高級コンドミニアムの住民もかわりはない。ただ売られる麻薬の質と値段が違うだけのこと。

ともあれ、UPPが設置されたら一般部外者でもなかに入ることができる。今年のカーニバルの時期に、NK新聞の取材でなかにはいったけど、あちらこちらに肩から銃をぶらさげてる兵隊の姿が目についた。内部の人間といたからすんなり入れたけど、いなかったら何しに来たのか、誰に会うのか尋問され裏付けをとられる。
しかし、国家権力は麻薬密売組織の追放に力をいれても、警察や軍のOBで組織された非合法犯罪組織ミリシアには手をだしていない。ここがポイント。なぜなら政治家に金がわたっているから(分かりやすい)。この仕組みが、公開された「トロッパ・ヂ・エリッチ2」によく描かれている。
# by techinho | 2010-10-16 04:56 | Cotidiano

Newsweek - BRASIL

ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト、特集『ルラ後のブラジル』

●大統領はやっぱりルラの七光りで
●ルラの後継者を決める「退屈な」大統領選
●ブラジルの買収攻勢はアメリカの救世主
●格差是正はブラジル式に学べ
●ルラの真の顔は反資本主義
●「ブラジルの世紀」に大きな落とし穴
●インタビュー「諭して聞かせるのが大国のあるべき姿だ」
●ブラジル大統領選の勝者は緑の党
.........etc.
# by techinho | 2010-10-09 22:44 | Politica

kingyo

いつのまにかマンゴーの小さな緑の実がいくつもぶらさがっている。リオの風物詩のひとつ。春のリオらしさであとなんかあるかな。サンタ・テレーザの丘をのぼってキリスト像の背中あたりの森のなかで水浴びしても冷たすぎ。やっぱり夏のハイテンションが待ち遠しい。

某日。
サンパウロから遠征にきた男衆と夜の街へくりだす。
あいにくの雨模様。だけど関係なし。お酒を飲んで心身のリフレッシュ。

某日。
ブラジル一の大富豪エイキ・バチスタの会社訪問。
迎えのヘリコプターに乗って、空中散歩。見慣れてるリオも未体験のアングルからだと興味深い。
眼下の海岸線を眺めながら、ここらへんは魚影が濃さそうとか、潮の流れを観察する。

某日。
最近買ったCDではウィルソン・ダス・ネイヴィスがよかった。
ついでに路上マーケットで金魚と漆黒の出眼金を一匹ずつ買う。こっちでも金魚はキンギョ。リオで公開中の映画ポニョの影響か。出眼金の名前を聞くのを忘れた。
あとブラジルでは秋田犬もけっこう有名で、俺そこで生まれたんだよねっていうときに引用できるけど、犬が先ってのもちょっと複雑。

***

いやいや、金魚じゃなくて選挙のことを書こうと思ってたんだと思い出す。
当選したけど文盲がばれて資格を失うかもしれない職業ピエロ、たしかメロンちゃんという名前でファンキを踊る美女、あと賭博でクビがまわらない元代表のホマリオと対抗馬にツートップを組んでたベベット。あとまじめな話しだとマリーナ・シウヴァの躍進が世間をおどろかせた。残念ながら大統領決戦投票には残らなかったけど、彼女の存在とマニフェストによって、金持ちも中流も貧乏もみんなアマゾンの偉大さや自然の大切さについて少しは知るようになった。しかしエコって言葉は嫌い、なんでだろう、たぶん人間のエゴを感じるからだろう。
# by techinho | 2010-10-06 06:41 | Cotidiano

UPP

先週UPPがサウゲイロの丘にはいった。
リオ市内では12カ所目。
UPPはUnidade de Polícia Pacificadora、治安維持部隊。ウーペーペーと呼ばれる。
昨年〜今年の流行語大賞になるくらい、リオの日常生活でよく耳にはいってくる言葉。
要は、いままでギャングが支配していたモーホにBOPE(州警察の特殊任務コマンド)が突入し、ギャングを追い払ったあとに、UPPが駐屯して治安を維持する。
そうなると、自分のような外部者でも、入り口でライフルを持った小僧にチェックされることなく、いつ銃撃戦がはじまるかとひやひやすることもなく、モーホのサンバやバイリ・ファンキをのぞくことができる。

初めてUPPがはいったのは、ボタフォゴ地区のドナ・マルタ。2008年12月のこと。数ヶ月前には、かつてビデオクリップを撮影した小さな広場にマイケル・ジャクソンの銅像が完成した。マドンナがきたり、ビヨンセがきたり、いまでは治安回復のモデル地区になっている。ついで映画の舞台になったシダーヂ・ヂ・デウスやバビロニア、シャペウ・マンゲイラ、カンタガロ、ボレウ……etcにUPPがはいった。

ほんでは2008年12月まではどうなってたかというと、あちこちで日常的に市街戦があり、あちこちでひとが死んでいた。それまで警察はなにをやってたのかというと、ギャングから賄賂をもらって見逃したり、押収したドラッグや銃を横流ししたり、まあすんごく腐っていたわけで、それは今でもあるのだけど、警察内の汚職に対しても厳罰が処されるようになり以前よりはクリーンになってきている。具体的には、国が本腰をあげ(莫大な予算を計上)、現場を指揮する州政府治安局にエキスパートが集結、綿密なプランのもとに計画通りにものごとが進んでいる。いままでのゆきあたりばったり主義ではなくなった。

それで州政府治安局は、年内に、マンゲイラの丘、マカコ(猿)の丘、サン・カルロスの丘にUPPがはいると発表。それぞれ、マンゲイラ、ヴィラ・イザベル、エスタシオの本拠地。
来年にはいよいよブラジル最大のファヴェーラ、人口10万のホシーニャにUPPがはいる。
# by techinho | 2010-09-20 22:54 | Cotidiano